LT走とは?サブ3.5を支える“中盤力”を鍛えるトレーニング
ランナーの間でよく話題になる「LT走(エルティー走)」。正式には「乳酸閾値走(にゅうさんいきちそう)」といいます。
難しそうな名前ですが、ざっくり言えば、
“きついけどギリギリ続けられるペースで、20〜40分間走るトレーニング”
この「ちょうどキツイ」強度がポイント。
楽すぎず、苦しすぎない。つまり「マラソン中盤を押し切る力」を養うトレーニングなのです。
乳酸とは?なぜそれを意識するのか
運動中、筋肉の中で作られる「乳酸」は、体を動かすエネルギーの“副産物”です。
これが溜まりすぎると、足が重くなったり動きが鈍くなったりします。
LT走では、乳酸が蓄積しすぎないギリギリのラインで走ることで、「乳酸を処理する力=後半の粘り」を鍛えることができます。
LT走で得られる3つのメリット
1. レース中盤のペース維持力が向上
マラソンで多くの人が失速する「25〜35kmの壁」。
LT走を積み重ねることで、このゾーンでも粘り強く走り続ける力が育ちます。
2. フォームの安定とランニング効率がUP
一定リズムで走り続けるLT走は、フォームのブレを少なくし、省エネな走り(ランニングエコノミー)を自然と身につけられます。
3. レースペースに“余裕”が生まれる
サブ3.5ならレースペースは5:00/km前後。
LT走を継続していると、「このペースなら余裕がある」と感じられるようになり、本番での自信につながります。
LTペースの目安は?
基本の目安は、「1時間全力で走れるペース」です。
サブ3.5ランナーの場合、4:20〜4:35/kmあたりがLTペースとなります。
体感的には以下を目安にしてください:
- 息が弾んでいるが、一言くらいは話せる
- これ以上ペースを上げると苦しい
- 20分ならなんとか維持できる強度
LT走メニューの例(週1でOK)
メニュー | 内容 | ポイント |
---|---|---|
LT走20分 | アップ10分 → LTペース20分 → ダウン10分 | 気温が低い時間帯がベスト。無理なく週1で。 |
ペース走6km | LTペースで6km走 | レースを想定した縮小版。本番に向けた実戦練習。 |
1km×4 インターバル | LT〜少し速めのペース+90秒休憩 | スピード刺激と乳酸処理力を同時に養える |
まずは「20分間を気持ちよく走る」ことから始めましょう。
よくある質問Q&A
Q. LT走はサブ3.5以上の人向け?
→ いいえ。
サブ4・サブ5を目指すランナーにも有効です。ペース感覚を養い、失速リスクを減らす効果があります。
Q. どこでやればいい?
→ 周回コースや直線でラップが取りやすい場所が理想。ペースの安定がポイントです。
Q. レース何週間前までやっていい?
→ 本番の2週間前まではOK。
直前は疲労を残さないよう、強度を少し落としましょう。
まとめ:LT走を続ければ、マラソンは後半が楽になる
LT走は、派手な練習ではありません。でも続けることで、中盤の粘り・フォームの安定・レースペースの余裕という大きな効果をもたらします。
「まだいける!」と思える脚は、LT走で作れます。
週1回のルーティンとして、あなたのマラソン練習に取り入れてみてください。
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